カイロプラクティックとは?

アメリカで1895年にダニエル・デビッド・パーマーによって開発された、「主に手技を用い、関節など(場合によっては筋肉、靭帯、内臓、神経)の調整によって人体の自然治癒力の衰弱を回復させる事により、あらゆる不健康からの回復や予防を助けようとする科学的自然療法」です。

パーマー先生はカナダ出身の、いわゆるアメリカンドリームを追い求めた人で、魚屋、養蜂業、など儲かりそうな仕事にはことごとく手を出し、磁気治療家でそこそこ成功した人です。先生にはハービー・リラードと言う召使いがいました。彼は重度の難聴でした。

あるとき先生はハービーさんに「なぜ君は耳が聞こえないんだい?」と聞きました。
するとハービーさんの答えは「以前掃除しているときに背中でバキッと音がしてそれから耳が聞こえにくくなりました」と答えました。

それを聞いて興味をひかれたパーマー先生は、その背中を見せてもらい第4胸椎(背中の上から4番目の骨)が後ろに盛り上がっているのを見つけました。
 「これはどうしたんだんだい?」「いえ、知りません。でも確かにその辺りがバキッと鳴りました。」「押してみても良いかい?」「どうぞ」などと言うやり取りがありパーマー先生がその部分を後ろから押してみました。するとそこが「バキッ」と大きな音で鳴りました。

驚いたパーマー先生が「おい!大丈夫か?」と聞くとハービーさんはその声がとてもよく聞こえ、それ以来難聴は一度も再発する事がありませんでした。

その新たに発見した技術に何か名前をつけたいと考えたパーマー先生は、当時の地方の知識階級であった牧師さんに相談。そうするとやはりアメリカでも新しいオリジナルの技術には外国語を使いたくなるらしく、ギリシャ語の"手“を意味するキロ(chiro)と”〜で行われた“と言う英語のpracticを組み合わせて「chiropractic=カイロプラクティック」と言う造語を作り出しました。

これを日本語に直訳すると「手技」という事になります。
アメリカでは西洋医学の事を”medicine”と言いますが、直訳するとこれは"薬“です。すると医療=薬物療法というのが普通になり、カイロプラクティックを日本語で「手技療法」と言っても良いのですが、日本には手技療法と呼ばれるものがごまんとあり、そう呼べばかえってどんな治療法か判らなくなり独自性が失われてしまいます。
そんな理由で、"カイロプラクティック”などという難しい名前を使い続けているわけです。