カイロプラクティックを受ける時は

カイロプラクティックを受ける時の心構え

カイロプラクティックは他の治療法とは違い、医学的に患部を修繕するのではなく「なぜそこが壊れなくてはいけないのか?」「そこが治るために何が邪魔なのか?」を追求し、調整する技術です。
そのため局所を治療するのではなく、全身の状態を改善することで結果として局所も良くなる様にしていきます。
ですので、他の「お医者さん」に行く時とは、ちょっと心構えを変えていただけると有難いです。

(1) 初診者の問診票記入時は、今の症状とは関係なさそうな事でもすべて教えてください。
(2) 治療後すぐに効果が出る訳ではありません。
(3) 症状が無くなったからといって「完治」した訳ではありません。
(4) 痛いところを直接触らないこともあります。

少し詳しく解説します。

(1) 初診者の問診票記入時は、今の症状とは関係なさそうな事でもすべて教えてください。

初診時の問診票は、今の症状を把握させて頂くだけでなく、その症状に至るまでのその人の身体の変遷や体質を知るためにも重要です。

例えば、「第5腰椎仙骨間の椎間板ヘルニア」の場合。その上の第4腰椎がずれて動きが悪くなっている時に、第5腰椎仙骨間の椎間板が代わりに大きく動くようになって負担が増え、その結果ヘルニアに至ってしまう、というのがよくあるケースです。
第4腰椎は大腸の問題と関わりが深く、そのケースでは例えば鎖骨の周辺に痛みが出たり腕がしびれたりする事があります。
また、大腸の問題が長期にわたっている場合、左の腎臓のコンディションを崩す事があり尿検査に異常が出たり、女性の場合2ヶ月に1度生理痛が辛い、などという可能性もあります。

そのような時に「椎間板ヘルニアと腕のしびれ、肩の痛み、便秘や尿タンパク、時々強い生理痛など関係ないだろう」と思って伝えないと、術者の判断材料が減り、結果、回復までの期間や費用をかなり要してしまう、というケースも考えられます。(実際に、似た例は非常に多いです)

また、過去の交通事故。「あんな大昔の事は関係ないだろう」とか「何も怪我はなかったから良いだろう」と申告されない方が多くいます。切り傷などでしたら昔の事は問題にならないのですが、関節の問題は時間が経つにつれ問題が深刻に、複雑になっていきます。
最初は少しの症状が、重力やいろいろな問題で大きくなっていきます。
医師から受けた診断があればもちろんのこと、思い当たったことは必ず申告をお願いします。

女性の方は妊娠の可能性の有無も報告をお願いします。治療によっては腹部への圧迫がありますので、妊娠の可能性があればそれを避ける必要があります。逆に言えば、妊娠していてもそれをこちらが分かってさえいれば、何の危険もなく治療が可能です。
カイロプラクティックで体を調整しておけば、出産が軽くすんだ、というのは良く聞く話です。

(2) 治療後すぐに効果が出る訳ではありません。

誤解が多いのですが、「曲がっているのが痛みの原因だから、曲がりが治ったら痛みもすぐ無くなるはず」と思っておられる方がいらっしゃいます。
“曲がっている”のが原因ではなく、“曲がっている場所で治るための自然治癒力がせき止められた”あるいは“曲がっている場所の動きがおかしくなって他の場所に負担がかかり、負担のかかった場所が怪我してしまった”のが原因です。

自然治癒力が働いて病気や怪我を治すためには、時間が必要です。負担がかかった場所の怪我が治るのにも時間がかかります。ですので、その場ですぐに痛みが消える訳ではありません。

ところが、突然消えてしまう事も時々あるのです。そんな時「カイロってこんなにすごい!」という魔法のような話ばかりが広まって誤解が生まれることが多いようです。

また、“曲がっている所”(サブラクセーション)は長い間その形が正しい、と身体が信じて出来たものですから、当然強いクセを持っています。
正しく治しても最初はすぐに戻ってしまうケースがほとんど。ですので、効果が出るまでに時間がかかったり、一時的に良くなっても最初はすぐ痛みが再発する事はよくあります。そのせいで「私にカイロは向いていない」とか「何だ、カイロは結局すぐ戻ってしまうな」などと早期判断しないようにしてください。

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